リウマチ外来rheumatism

リウマチ外来

リウマチ外来

リウマチ外来の対象は、関節リウマチを中心とする
リウマチ性疾患の患者さんです。

関節リウマチを含むリウマチ性疾患では、
それぞれの患者様で病気の活動性や病状がそれぞれ異なります。
治療も長期に渡ることが多いため、
いかに患者様の良きパートナーになれるかが大事です。

そのため、十分な説明と同意のもと、科学的根拠に基づき、
個々の患者様に合った医療を行っていきたいと思います。

毎週 木曜日(泌尿器科外来診察室)・土曜日1・3・4・5週(内科外来診察室)

当院のリウマチ外来は医療機関からの紹介が必要となります。
初診は(木)のみとなります。
必ず初診の方は、紹介状と予約票をお持ちの上ご来院下さい。
なお診療情報提供書は、リウマチ内科 八木田 正人 宛で作成をお願いします。

関節リウマチの診療について

関節リウマチとはどんな病気?

我々の体は、免疫システムによって外部からの攻撃(ウイルス・細菌等)から守られているのですが、
何らかの異常により、本来自分の体を守るべき免疫が自分の体を攻撃してしまう病気を
自己免疫疾患と呼びます。
自己免疫疾患の中で、関節・骨・筋肉や血管などの膠原線維を多く含む結合組織が
自分の免疫の攻撃対象になる病気がリウマチ性疾患です。
関節リウマチは、リウマチ性疾患の中で最も多い病気で関節が主に免疫の攻撃対象となります。

30~50歳台の方の発症が多く、
女性に多い(男女比は約1:4)のが特徴です。
はっきりとした原因は不明ですが、
関節を包む滑膜というところに先ほど述べました
免疫機序による炎症が起こり、
手指や足趾等の多くの関節に痛みや腫れが起こります。

この炎症が慢性に継続すると、次第に関節が破壊され、日常動作に支障が出るようになります。

関節リウマチは関節以外にも症状を引き起こします。
全身の症状として、発熱や全身倦怠感が起こりますし、炎症が継続すれば貧血も起こってきます。
その他の障害部位として頻度が多いものに、肺(間質性肺炎・胸膜炎等)が挙げられます。
また活動の程度・継続期間によっては眼・皮膚・腎臓・血管にも障害が及びます。

関節リウマチの治療

これまで関節リウマチによる関節破壊は徐々に進むと理解されてきましたが、
最近では発症数年で関節破壊がすでに起こってくることが分かってきました。
従って早期に抗リウマチ薬(DMARDs)による治療を開始することが重要と言われています。

幸い、この10数年で関節リウマチの治療は飛躍的に進歩しました。
関節リウマチではTNF-αやIL-6と云った物質(サイトカインと呼ばれます)が炎症を起こした
滑膜細胞より大量に産生され、これらのサイトカインによって炎症がさらに増悪し、
関節の破壊が進むことが最近の研究で分かってきました。
これらTNF-α、IL-6や炎症の原因となる免疫細胞をピンポイントに抑える薬
(生物学的製剤と言われています)が開発され、おかげで治療の効果が革命的に良くなってきています。

反面、生物学的製剤による治療には副作用を含めたいくつかの問題点があります。
代表的な副作用をお話しますと、まず感染症になりやすくなります。
TNF-αやIL-6と云ったサイトカインは自分を守る免疫のシステムで重要な働きをする物質ですので、
その機能を抑えてしまうことは結核、肺炎等の感染症のリスクを上げることになります。
従って、体の抵抗力、体調をよく判断して、感染症を起こさないように慎重に生物学的製剤を
使用しないといけません。

今後当科では生物学的製剤が必要な場合には積極的に導入を考慮しますが、
導入の際には患者様ひとりひとりにその適応を慎重に検討し、
導入した場合は副作用の発現に細心の注意を払っています。

関節リウマチ診療における関節エコー検査の有用性

関節リウマチ(RA)では関節を包む
滑膜というところに免疫機序による
炎症(リウマチ性滑膜炎)が起きます。
このリウマチ性滑膜炎による関節破壊は
病気の最初の数年で起こってくることが近年分かってきました。

RAを早期に診断するために2010年欧州リウマチ学会(EULAR)/米国リウマチ学会(ACR)による
RA分類基準が発表されましたが、リウマチ性滑膜炎を超音波検査で視覚的にはっきり捉えて
判断することができれば、関節リウマチ診療に多いに役立ちます。
特に体表面の関節だとその利便性があります。当科では関節エコー検査を積極的に取り入れています。

リウマチ外来担当医師

リウマチ外来担当八木田 正人

略歴元・北野病院リウマチ膠原病内科 主任部長

資格等日本リウマチ学会専門医・指導医
総合内科専門医
難病指定医